「飼い主の責務」を再確認
9/20~26は動物愛護週間です。
「飼い主の責務」ご存知の方も是非、今一度。
【このコラムは、こんな方におすすめです】
・ペットを飼っている方
・これから飼う予定の方

【9/20~9/26は動物愛護週間です】
動物愛護管理法では、
国民の間に広く動物の愛護と適正な飼養についての
理解と関心を深めていただくため、
9月20日から26日を動物愛護週間と定めています。
様々なオンラインイベント等も開催されるようですね。
(動物愛護週間)
第四条 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての
関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。
2 動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。
3 国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、
その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。
~~~
もちろん動物愛護週間中に限った話ではなく、普段から大事なことですが、
この機会に、「飼い主の責務等」について、改めて復習してみませんか。

【動物の愛護及び管理に関する法律】
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)は、
「動物の愛護(適正な飼養、虐待の防止)」と
「動物の適切な管理(危害や迷惑の防止)」を目的とし、
「人と動物の共生する社会の実現」を目指す法律です。
この法律の第7条において、
動物の「所有者」又は「占有者」の責務等が定められています。
※所有者(しょゆうしゃ):飼い主等、ペットの所有権を有する者。
占有者(せんゆうしゃ):一時的に動物を預かる者。ペットホテル、トリマーなど。
(「占有」とは”事実上の支配状態”のことです)

【第七条(動物の所有者又は占有者の責務等)】
動物の所有者又は占有者は、
命あるものである動物の所有者又は占有者として
動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、
その動物をその種類、習性等に応じて
適正に飼養し、又は保管することにより、
動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、
動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、
生活環境の保全上の支障を生じさせ、
又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
この場合において、
その飼養し、又は保管する動物について
第七項の基準が定められたときは、
動物の飼養及び保管については、
当該基準によるものとする。
◆動物の健康と安全の保持とは?
動物の種類、習性等に応じて適正に飼養保管し、健康と安全の保持に努めること
例:必要な運動、休憩、睡眠を確保し、餌や水を与える。必要な医療を受けさせる。
◆危害や迷惑の防止とは?
動物が人の生命、財産に危害を加え、迷惑を及ぼさないように努めること
例:一定の場合を除き、犬の「放し飼い」をしない、猫は「室内飼養」を基本とする。
清潔を保ち、ふん尿、毛などを適切に処理する。

2 動物の所有者又は占有者は、
その所有し、又は占有する動物に起因する
感染性の疾病について正しい知識を持ち、
その予防のために必要な注意を払うように
努めなければならない。
◆感染症の知識や予防とは?
動物に起因する感染症について正しい知識を持ち、
予防のために必要な注意をするよう努めること
例:「人と動物の共通の感染症」について理解し、感染防止に努める。

3 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
◆逸走(いっそう)の防止とは?
動物が逃げ出さないような措置を講ずるよう努めること
例:出入口に施錠設備などを設け、異常がないか点検する。
行政のウェブサイトやSNS等で、ワンちゃん・ネコちゃんの迷子情報をよく目にします。
一日も早く、見つかりますように…と願っています。
首輪、迷子札、マイクロチップ…
これら「所有の明示措置」(後述)は、万一逃げてしまった後に、役立つ物です。
その前に、逃げないための対策です。
玄関、窓、ベランダから「絶対に逃がさない」対策をしておきたいですね。

4 動物の所有者は、
その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で
支障を及ぼさない範囲で、
できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること
(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。
◆終生飼養(しゅうせいしよう)とは?
できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養するように努めること
「お金」「時間」「住宅環境」「家族構成」などを長期的な視点で考えてみましょう。
それでも、本当に飼い続けられるでしょうか。
「コロナ禍で在宅時間が増えたので、ペットを飼い始めた」という例もあるそうです。
もちろん、それ自体を否定するつもりはありません。
しかし、信じられないことですが、
ごくごく一部には、安易に飼育を開始し
「こんなに大変だと思わなかった」「意外とお金がかかるので」
と飼育放棄するケースがあるようです…(悲)
飼育には一定の費用もかかります。
「本当に飼えるかな?」と、一度、落ち着いて考えましょう。

5 動物の所有者は、その所有する動物がみだりに繁殖して
適正に飼養することが困難とならないよう、
繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
◆繁殖に関する措置とは?
適正に飼養することが困難とならないよう、
繁殖に関する措置等を講ずるよう努めること
例:不妊去勢手術を受けさせる。

6 動物の所有者は、
その所有する動物が自己の所有に係るものであることを
明らかにするための措置として
環境大臣が定めるものを
講ずるように努めなければならない。
◆所有の明示措置とは?
自身の「飼い犬」「飼い猫」であることを表示するように努めること
例:首輪、迷子札、マイクロチップ等を装着する。
マイクロチップ挿入は、獣医療行為となります。
詳細は、かかりつけの獣医師さんにご相談下さい。
マイクロチップの話はまた後日アップします。

7 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、
動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。
◆環境大臣の定める基準とは?
飼い主等の責任、動物の飼い方をより具体的に示した
「動物の飼養及び保管に関する基準」があります。

法律の他にも…
この他に、都道府県や市区町村が、地域の実情に合わせて定めた「条例」があります。
また、行政によるルール以外にも、
日常の様々な場面で、飼い主に求められるルール、マナーがあります。
例:「ペット飼育可」の集合住宅における規約。
「共有部分を通行する時はペットを抱きかかえること」や、
「ペットによる臭いや騒音を発生させないよう注意すること」等。
もしかすると、周囲に動物が苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
お互いに気持ちよく過ごせるよう、
状況に応じた「配慮」や「思いやり」を大切にしていきたいですね。

おわりに
今回は「飼い主の責務」についてのお話でした。
既にご存知の内容も多かったかもしれません。
飼い主の皆様や、これから飼い主になる皆様が、
ご自身や周囲の「動物愛護」「適正飼養」について、
考えるきっかけになれば幸いです。